【現場監督向け】
工事写真アプリの選び方│厳選アプリ5つ
工事写真は、工事の施工状況や過程を正確に残す重要な記録資料です。近年はこの工事写真をはじめ施工管理業務において、工事写真アプリが導入され業務効率化の成功につながっています。
様々な工事写真アプリが登場していますが、重要な記録になる工事写真ですので、使う前提としてやはり安心で、信頼できるアプリを使いたいもの。そしてアプリを使いこなすためには、業務の目的や現場環境に合ったものを選ぶことが重要になります。
この記事では工事写真アプリの特徴や選び方をはじめとし、工事写真アプリを使った撮り方、写真を台帳にするまで一気通貫できるおすすめのアプリを厳選してご紹介します。
目次
- 工事写真アプリを使う前に:工事写真の撮り方
- 工事写真アプリの電子小黒板を活用
- 工事写真アプリを使う前に:工事写真台帳について
- 工事写真、工事黒板、工事写真台帳の役割と関連性
- 工事写真撮影をアプリにするメリット
- 工事写真アプリにおすすめの5つ
- まとめ
工事写真アプリを使う前に:工事写真の撮り方
工事写真の撮影は記録する資料の目的に沿った写真にするため、適切な撮影のタイミング、範囲、位置やアングルを考え撮影する必要があります。
また工事写真の撮影で重要なことは「撮影の計画」と「撮影の構図(5W1H)」です。
まず施工前の段階で「何を・いつ撮影するか」を事前に計画立てることによって、タイミングを見誤ることなくスムーズに撮影するための「撮影の計画」を立てます。
そして写真1枚で撮影目的を明確に伝えるために「撮影の構図」を意識し、5W1H情報をくみ取れる写真を撮ります。
工事写真における5W1Hは次の通りです。
- When =いつ (時期・加工前後等)
- Where=どこで(場所・部位等)
- Who =誰が(立会者等)
- What =何を(工事種目・分類等)
- Why =なぜ・何のために(規格・寸法等)
- How =どのように(施工状況等)
写真の内容のみで上記を網羅することは難しく、補えない情報を工事黒板と寸法を確認できるよう添尺をすることで、わかりやすくします。
工事写真の撮影方法の詳細を知りたい方、国土交通省が定める「デジタル写真管理情報基準に基づいた工事写真の取り扱い方を確認したい方は、より詳しくご紹介しているこちらの記事をご参考ください。
工事写真アプリの電子小黒板を活用
工事黒板には、工事写真の撮影状況(工事名・工種・略図など)が書かれています。黒板の種類には、木製黒板やホワイトボードがあり、工事名や工種、測点や略図をチョークやペンで書き込み、現場風景や作業部分の付近に配置して撮影します。
現場では複数の黒板を用意し、各現場ごとに適切に書き直しが必要です。工事写真アプリには、この木製やホワイトボードの小黒板を電子化した、電子小黒板が挿入された工事写真を撮ることが可能です。
黒板に記述する情報が電子小黒板になれば、スマートフォンの操作と同じように指で触るだけで文字の入力や消去ができるため、工事写真の業務負荷が軽減する現場も増えています。

工事写真アプリを使う前に:工事写真台帳について
工事写真台帳とは、撮りためた工事写真をまとめたアルバムです。Excelやソフトを使って作成することが主流です。表紙・背表紙には「工事完成年度、工事名、工期、受注者名、分冊数」などを記載し、中身は工事の設計書順、あるいは工程順で並べるのが一般的なレイアウトです。
工事写真台帳について、また工事写真台帳の管理業務効率化についてはこちらの記事で詳細をご紹介しています。
工事写真、工事黒板、工事写真台帳の役割と関連性
工事写真は施工状況と経過の記録・証拠となる資料。被写体だけですべての情報を記録することは不可能なため、黒板を使い文字で補います。そしてそれを整理し工事写真台帳にまとめて完成となります。
しかしこれらの施工管理業務は、現場監督の業務ひっ迫及び長時間労働の要因ともなっています。そのような状況に一石を投じるのが「工事写真アプリ」。作業時間を削減し、建設現場の生産性向上が可能になる工事写真アプリを導入する現場監督が増えています。
工事写真撮影をアプリにするメリット
工事写真業務は撮影をデジカメ、台帳管理はエクセルや紙での運用もできますが、工事写真アプリを導入することで、作業効率を大幅に向上させることが可能になります。
工事写真をアプリで撮影する3つのメリットは次の通りです。
- デジタルカメラが要らない
- 木製黒板を持ち歩く必要がない
- 工事写真を手作業で仕分ける必要がない
(台帳ソフトと連携しているアプリの場合、工事写真台帳を自動で作ることができます)
工事写真アプリを使えば、デジカメ、工事黒板も必要ありません。スマートフォン(スマホ)かタブレットのみを持ち出すだけ。工事写真アプリの電子小黒板機能により、あらかじめ黒板を何枚も用意しておくことが可能になり、何枚もの黒板を持ち歩いたり、現場ごとに黒板を書き換える作業も省けます。多くの工事写真アプリは保存できる黒板の数には限りがないため、必要な分を何枚でも保存しておくことが可能です。工事写真の撮影はこのスマホかタブレットで完結できるようになります。
さらに工事写真アプリが工事写真台帳ソフトと連携していると、撮影した写真が自動で整理され、写真台帳まで作成してくれます。

工事写真アプリにおすすめの5つ
実際にどのような種類の工事写真アプリが今あるのか?どのアプリを使えば良いか?とお悩みの現場監督の方が多いかと思います。そこで、おすすめの工事写真アプリを5つ紹介します。業務内容や導入目的に適したアプリを選んでください。
蔵衛門シリーズ
工事写真専用タブレット「蔵衛門Pad DX」は、「カメラのいらない電子小黒板」をコンセプトに2014年に登場。過酷な環境でも安心して使える防塵・防水ボディに耐衝撃ケースを標準装備した工事写真専用タブレットもあり、発売以来で29業種、100,000を超える公共・民間工事の現場に導入されています。
アプリの主な機能、特徴
- ・電子小黒板の作成
- ・電子小黒板の豆図描画
- ・電子小黒板付き工事写真撮影
- ・工事写真の自動整理
- ・工事台帳の自動作成
- ・工事台帳のExcel、PDF納品版作成
- ・写真の電子納品出力
- ・クラウド上での閲覧、編集
- ・J-COMSIAの改ざんチェック機能
- ・J-COMSIA信憑性チェック結果をCSV形式で出力
- ・国土交通省認可
- 料金
-
- アプリ:
- ダウンロード無料
- 工事写真撮影専用端末:
- ¥99,800(税込 ¥109,780)
- 連携台帳ソフト:
- 無料 ※蔵衛門クラウドの契約で無料で利用可能
- 販売元
-
- 株式会社ルクレ
Photomanager
建設技術者の業務効率化に貢献するソフトウェアを開発し、工事写真撮影のアプリから写真台帳ソフトまで幅広くサービスを展開しています。
アプリの主な機能、特徴
- ・電子小黒板の作成
- ・電子小黒板の豆図描画
- ・電子小黒板付き工事写真撮影
- ・工事写真の自動整理
- ・クラウド上での写真閲覧
- ・台帳ソフトと連携した場合、工事台帳の自動作成
- ・台帳のExcel、PDF納品版作成
- ・写真の電子納品出力
- ・J-COMSIAの改ざんチェック機能
- ・国土交通省認可
- 料金
-
- アプリ:
- ダウンロード無料
- 販売元
-
- 株式会社ワイズ
Photoruction
生産性と品質向上を目的とした建設業向けクラウドサービスとして、工事写真の撮影や管理のほか工程表やタスク、検査など技術者の業務をサポートする機能を多く搭載しています。
アプリの主な機能、特徴
- ・電子小黒板の作成
- ・電子小黒板の豆図描画
- ・電子小黒板付き工事写真撮影
- ・工事写真の自動整理
- ・クラウド上での写真閲覧
- ・台帳ソフトと連携した場合、工事台帳の自動作成
- ・台帳のExcel、PDF納品版作成
- ・写真の電子納品出力
- ・J-COMSIAの改ざんチェック機能
- ・国土交通省認可
- 料金
-
- アプリ:
- ¥2,500(税込¥2,750)~ ¥3,700(税込¥4,070)
- 販売元
-
- 株式会社フォトラクション
工事写真
生産性と品質向上を目的とした建設業向けクラウドサービスとして、工事写真の撮影や管理のほか工程表やタスク、検査など技術者の業務をサポートする機能を多く搭載しています。
アプリの主な機能、特徴
- ・電子小黒板の作成
- ・電子小黒板付き工事写真撮影
- ・工事写真の自動整理
- ・自動バックアップ保存
- ・クラウド上での写真閲覧
- ・国土交通省認可
- 料金
-
- サーバー初期費用:
- ¥5,000(税込¥5,500円)
- 法人プラン:
- ¥38,000(税込¥41,800円)/年~
- 販売元
-
- 株式会社Booth
ミライ工事2
工事写真の報告書作成を削減することを掲げスマートフォン上で完結できる写真管理機能を多く搭載。法人プランの場合、工事写真台帳を同時に操作し現場と事務所間でスムースに作業ができます。
アプリの主な機能、特徴
- ・電子小黒板の作成
- ・電子小黒板の豆図描画
- ・電子小黒板付き工事写真撮影
- ・クラウド上での写真閲覧
- ・スマートフォン上で工事台帳の自動作成
- ・台帳のExcel、PDF納品版作成
- ・写真の電子納品出力
- ・J-COMSIAの改ざんチェック機能
- ・国土交通省認可
- 料金
-
- アプリ:
- ダウンロード無料
- 法人プラン:
- ¥9,000(税込¥9,990円)/月~
- 販売元
-
- 太陽工業株式会社
まとめ
工事写真アプリを導入すると、撮影から台帳作成まで幅広く現場監督の業務をサポートし、生産性向上が可能になります。
ぜひ積極的に工事写真アプリの導入と活用にチャレンジしてみてください。